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本サイトは、IPF(特発性肺線維症)に関する用語をわかりやすく解説しています。

あ行

  • 胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)(GERD、ガード)

    胃食道逆流症、別名GERD(ガード)は、胃の内容物が食道へ逆流しておこる症状のことをいいます。さまざまな理由によって強い酸性の胃酸や消化酵素が胃から食道に逆流することで、食道の炎症や痛み、胸やけなどの症状をともないます。食道の炎症は前胸部痛をおこします。

  • 右心不全(うしんふぜん)

    心臓の右室(うしつ)の機能が低下することによって、全身から戻ってきた血液[静脈血]を肺へ十分に送り出すことができない状態をさします。そのため、からだに血液や体液がたまり、むくみや腫れ(はれ)を生じさせることがあります。
    原因はさまざまですが、右心系の力が原因の場合と左心不全に続発する場合があります。

  • 運動療法(うんどうりょうほう)

    からだの全体または一部を動かすことで症状の軽減や機能の回復を目指す療法のことで、目的によって全身持久力トレーニング、筋力トレーニングなどさまざまな運動療法の種類があります。
    呼吸器領域での運動療法とは心肺機能改善訓練のことであり、呼吸リハビリテーションにおける中心的な要素となります。この運動療法によって、からだの活動性をあげ、筋力を強化したり、食欲を回復させて体重減少傾向が改善するなどの効果がみられます。

か行

  • ガス交換(がすこうかん)

    空気中の酸素(O2)を体内に取り込んで、体内の二酸化炭素(CO2)を体外へ排出することです。
    ガス交換は2ヵ所でおこなわれ、肺でおこなうガス交換を「外呼吸」、からだの各組織で細胞がおこなうガス交換を「内呼吸」といいます。

  • 合併症(がっぺいしょう)

    合併症は、ある病気が原因となって引きおこされる別の症状をさします。しかし、日常の診療においては、2つ以上の異なる病気が同時におこっていることも合併症と呼ぶ場合があります。また、手術や検査がきっかけでおきる病気のことも合併症と呼ぶことがありますが、これは[手術もしくは検査]併発症のことをさします。

  • 空咳(からせき)

    咳のことを咳嗽(がいそう)といい、痰(たん)の出ない乾いた咳の乾性咳嗽(かんせいがいそう)と、痰が出る湿った咳の湿性咳嗽(しつせいがいそう)の2種類に分けられ、空咳はこの乾性咳嗽のことをさします。

  • (肺)間質[(はい)かんしつ]

    からだにある臓器や組織は実質と間質に分けられます。間質は、実質と実質の間を満たす部分の総称をいいます。
    肺組織は、その性質により2つに大別されており、そのうちの1つが肺間質です。肺間質は、肺胞を取り囲む肺胞の壁の部分であり、実際のガス交換に関わる肺胞の部分である肺実質と区別されています。間質は、酸素(O2)や二酸化炭素(CO2)の通り道になっており、この間質を通って実質と血液との間でガス交換がおこなわれます。

  • 間質性肺炎(かんしつせいはいえん)

    間質性肺炎は、病変の主な存在部位によって2つに大別される肺炎のうちの1つです。間質性肺炎は、肺胞の壁を中心とする肺間質で炎症や線維化がおこる疾患の総称であり、肺胞腔内に炎症がおこる肺胞性肺炎[一般的な肺炎]と区別されています。間質性肺炎は、さらに、原因が判明しているものと、不明なものに大別されます。

  • 気管支肺胞洗浄(きかんしはいほうせんじょう)(BAL、バル)

    気管支鏡を用いて、肺の一部に滅菌した生理食塩水を注入して回収し、回収した液を解析することにより、肺の病気の種類や程度を判定するうえで有効な情報を得ることができます。

  • 気胸(ききょう)

    胸腔(きょうくう)というスペースのなかに肺があります。胸膜には胸腔面をおおう壁側胸膜(へきそくきょうまく)と、肺をおおう臓側胸膜(ぞうそくきょうまく)があり、内側の臓側胸膜に穴があき、その2層の膜の間のスペース[胸腔]に空気が漏れることによって、肺の一部や全体がしぼんでしまう状態です。多くの場合、胸の痛みや息切れ、ときには咳といった症状とともに突然発症します。
    気胸の原因はさまざまで、交通事故などの外傷や、針を刺すなどの医療行為によっておこることもあれば、自然に生じる[自然気胸]こともあります。また、肺の病気などによって併発する[続発性気胸]こともあります。

  • 急性間質性肺炎(きゅうせいかんしつせいはいえん)(AIP、エーアイピー)

    病因不明の間質性肺炎特発性間質性肺炎(IIPs)]の1つで、突然発症して急速に重症化する肺の病気です。最初に、熱や咳などの風邪のような症状がみられた後、数日から数週間で急激に空咳や、呼吸困難などの症状があらわれます。また、症状が進行して、呼吸不全になると、人工呼吸器によって呼吸を管理しなければならない場合があります。

  • 急性増悪(きゅうせいぞうあく)

    特発性肺線維症(IPF)の急性増悪とは、特発性肺線維症の慢性的な病態の経過観察中に、肺の感染症や気胸とは別に1ヵ月以内という短期間で呼吸困難をはじめとする症状の急激な悪化がみられる病態です。特発性肺線維症の急性増悪の原因は明らかではありませんが、線維化の進展とは別の炎症反応であると考えられています。

  • 胸腔鏡(きょうくうきょう)

    肺を包んでいる胸膜(きょうまく)という2層の膜の間のスペース[胸腔(きょうくう)]のなかに入れる内視鏡のことです。背中の肋骨(ろっこつ)の間に小さな切り込みを入れて挿入するという比較的からだへの負担が少ない方法で、胸腔内の様子を観察したり、肺の組織を取り出して調べる肺生検という検査や、胸腔内の手術をおこなうときなどに用いられます。

  • 胸部X線検査(きょうぶエックスせんけんさ)

    心臓や肺などの胸部の病気の診断のために第一におこなう基本的な画像検査です。一般的にX線検査は、レントゲン撮影という名前でも知られています。
    胸部にX線をあてて撮影し、臓器の形や大きさの変化、異常な影の有無などを調べます。
    胸部X線検査は、CTやMRIなど他の画像検査に比べ、簡便、経済的で、全体的な病変の分布や程度の把握ができるなどのメリットがあります。
    この検査で異常がみられた場合には、さらにCT検査などがおこなわれます。

  • 筋線維芽細胞(きんせんいがさいぼう)

    傷ついた組織を修復する作用をもつ細胞です。
    からだの組織が傷ついたとき、傷口に集められた線維芽細胞の一部が、この筋線維芽細胞に変化し、傷ついた組織を修復するコラーゲン線維などを分泌(ぶんぴつ)します。

  • 経皮的動脈血酸素飽和度(けいひてきどうみゃくけつさんそほうわど)(SpO2、エスピーオーツー)

    心臓から全身に送り出される血液[動脈血]には酸素(O2)が多く含まれていますが、その動脈血中の赤血球に含まれるヘモグロビンのうち、酸素が結びついたヘモグロビンの割合を%で示した値です。
    経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)はパルスオキシメータという機械を用いて、通常は指先の皮膚の上から測定します。経皮的動脈血酸素飽和度の正常な値は95~100%であり、95%以下では低酸素血症、90%未満では呼吸不全が疑われます。

  • 血管内皮増殖因子受容体(けっかんないひぞうしょくいんしじゅようたい)(VEGFR、ブイイージーエフアール)

    血管内皮細胞に関わる増殖因子と結合するチロシンキナーゼ受容体のことです。
    増殖因子は受容体に結合すると、さまざまなシグナル[指令]を出します。
    血管内皮とは、血管の内側をおおう薄いシート状の細胞の層のことです。
    肺胞に傷がつくと、血管内皮増殖因子が放出され、その受容体に結合します。その結果、血管新生(けっかんしんせい)に関連するシグナル[指令]が出され、組織が修復されると考えられています。
    しかし、上皮細胞による正常な修復ができないような状態では、このシグナル[指令]による刺激が持続します。その結果、線維化が引きおこされ、特発性肺線維症(IPF)などの病気につながる可能性があります。線維化には、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)のほかに、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)なども関与していると考えられています。

  • 結合酸素(けつごうさんそ)

    赤血球中に含まれるヘモグロビンに結合して運搬される酸素(O2)のことをいいます。
    血液中の酸素は、ヘモグロビンと結びつくことによって、からだ全体の組織にまんべんなく運ばれます。

  • 血漿(けっしょう)

    血液から赤血球、白血球、血小板などをのぞいた液体成分のことで、血液量の半分以上を占めている成分です。血漿の成分のほとんどは水分であり、そのなかに塩類やタンパク質などが溶けています。

  • 血小板由来増殖因子受容体(けっしょうばんゆらいぞうしょくいんしじゅようたい)(PDGFR、ピーディージーエフアール)

    血小板に由来した増殖因子と結合するチロシンキナーゼ受容体のことです。
    増殖因子は受容体に結合すると、さまざまなシグナル[指令]を出します。
    肺胞に傷がつくと、血小板由来増殖因子が放出され、その受容体に結合します。その結果、傷の修復に関連するシグナル[指令]が出され、組織が修復されると考えられています。
    しかし、上皮細胞による正常な修復ができないような状態では、このシグナル[指令]による刺激が持続します。その結果、線維化が引きおこされ、特発性肺線維症(IPF)などの病気につながる可能性があります。線維化には、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のほかに、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)や血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)なども関与していると考えられています。

  • 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)

    高額療養費制度とは、公的医療保険を使用して医療機関や薬局の窓口で支払った額が、一定の金額[自己負担限度額]を超えた場合、その超えた金額分が支給される制度です。ご本人の年齢や所得に応じて、支払う医療費の上限が異なり、またいくつかの条件を満たすことにより、さらに負担を軽減する仕組みも設けられています。
    詳しくは厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。→厚生労働省ホームページ http://www.mhlw.go.jp/(高額療養費制度を利用される皆さまへ)

  • 抗線維化薬(こうせんいかやく)

    肺の線維化が進むのを抑えるおくすりのことです。肺の線維化を抑えることによって、呼吸の機能の低下を抑え、病気の進行を遅らせることを目的に使用されます。

  • 呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患(こきゅうさいきかんしえんをともなうかんしつせいはいしっかん)(RB-ILD、アールビーアイエルディー)

    病因不明の間質性肺炎特発性間質性肺炎(IIPs)]の1つで、間質の炎症だけでなく、肺胞の手前の気管支の末端も炎症している肺の病気です。空咳が出たり、からだを動かしたときに息苦しく感じたりすることがありますが、全く症状がないこともあります。
    主に40~50歳代の喫煙者に多く、男女比は2:1で男性に多く発症する傾向があります。

  • 呼吸不全(こきゅうふぜん)

    動脈血中の酸素(O2)の割合が低くなって、からだが正常に働かない状態のことをいいます。主な症状は激しい息切れ、皮膚の青みがかった変色[チアノーゼ]、意識障害などです。
    この呼吸不全の状態が数時間から1ヵ月未満でおきる状態を「急性呼吸不全」といい、1ヵ月以上持続している状態を「慢性呼吸不全」といいます。急性呼吸不全の主な原因となる肺の病気は、肺炎などの感染症や外傷などがあり、一方、慢性呼吸不全の原因となる肺の病気には、COPD[慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)]や間質性肺炎などがあります。

  • 呼吸リハビリテーション(こきゅうりはびりてーしょん)

    呼吸リハビリテーションとは、あらゆる呼吸器の病気にかかった患者さんを対象に、呼吸困難の軽減、心身の機能の改善、生活の質(Quality of Life : QOL)の向上などを目的とした運動療法を主とした治療プログラムのことです。通常、運動療法に加えて、食事療法、心理カウンセリング、おくすりの服用、教育など多面的かつ継続的におこなわれます。また、特発性肺線維症(IPF)患者さんに対して、呼吸リハビリテーションが有効であることが最近の研究で確認されています。

  • コラーゲン線維(こらーげんせんい)

    コラーゲン線維は、コラーゲンというタンパク質が多数集まって太いひも[線維]状になったもので、しなやかで強く、からだの組織を支える間質の主な成分です。
    からだの組織に傷がつくと、からだの修復機構によって、このコラーゲン線維が分泌(ぶんぴつ)され、組織が修復されます。

さ行

  • 在宅酸素療法(ざいたくさんそりょうほう)(HOT、ホット)

    呼吸の機能の低下にともなって、体内に酸素(O2)を十分に取り込めない患者さんに対して、大気中より高い濃度の酸素を投与することを酸素療法といい、それを携帯可能な酸素吸入器を使って自宅で実施することを在宅酸素療法(HOT)といいます。在宅酸素療法は、多くの患者さんの身体機能の低下を改善し、生活の質(Quality of Life : QOL)を改善することが期待されています。

  • 細葉(さいよう)

    肺の気管は、「気管支」、「細気管支」、「終末細気管支」、「呼吸細気管支」と細かく枝分かれしていきます。
    細葉は、「終末細気管支」以下の末梢区域をさし、その先端には肺胞が多面体を形成しながら密集しています。

  • (肺)実質[(はい)じっしつ]

    肺組織は実質と間質に分けられます。
    肺実質は、実際のガス交換に関わる肺胞の部分であり、肺胞の内部表面の細胞の部分[肺胞上皮細胞]とそのなかの空洞部分[肺胞腔]をあわせた領域をさします。

  • 縦隔気腫(じゅうかくきしゅ)

    縦隔は、左右の肺の間にある心臓、大血管、気管・気管支などがある空間のことです。
    縦隔気腫は、気道の損傷などにより縦隔内に空気が入り込んだ状態のことをいいます。気胸に合併することもあります。主な症状は、突然の胸の痛み、呼吸困難などです。

  • 重症度(分類)[じゅうしょうど(ぶんるい)]

    病気の重さや進行の度合いなどをみるために使用されます。
    特発性肺線維症(IPF)を含む特発性間質性肺炎(IIPs)の重症度は、①安静にしているときの動脈血酸素分圧(PaO2)、②6分間歩行検査をしたときの経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の2つをもとに、重症度の低いⅠ度から重症度の高いⅣ度の4段階に分類されます。

  • 受容体(じゅようたい)

    細胞の表面や内部に存在する立体的な形をしたタンパク質で、特定のホルモンや増殖因子などが結合すると、受容体からシグナル[指令]が出ます。そして、特定の細胞にシグナル[指令]が伝わると、その細胞の働きが強まったり、弱まったりします。増殖因子などの特定の物質と受容体の関係は‘鍵’と‘鍵穴’の関係にたとえることができます。受容体は鍵が鍵穴にはまるように特定の物質とのみ、ぴったりと結合することができます。

  • 上皮細胞(じょうひさいぼう)

    からだの皮膚や粘膜、臓器などの内側をおおっている細胞のことです。上皮細胞は密に連なりあって、上皮組織(じょうひそしき)を形成しています。肺胞では、Ⅰ型肺胞上皮細胞とⅡ型肺胞上皮細胞の2種類が肺胞の内面をおおっています。Ⅰ型肺胞上皮細胞は肺胞上皮の大部分を占めており、ガス交換をおこなっているのに対し、Ⅱ型肺胞上皮細胞は球状の細胞で界面活性物質(かいめんかっせいぶっしつ)を分泌し、肺胞がしぼむのを防いでいます。
    特発性肺線維症(IPF)における肺の線維化は、肺胞上皮細胞に繰り返し傷害が加わることにより、過剰な修復反応がおこることが関与していると考えられています。

  • 静脈血(じょうみゃくけつ)

    静脈血とは、全身の細胞に酸素(O2)を供給して、二酸化炭素(CO2)を多く含んだ血液のことをいいます。全身から心臓へ戻る血管と、心臓から肺へ向かう血管には静脈血が流れています。

  • 小葉(しょうよう)

    肺の気管は、「気管支」、「細気管支」、「終末細気管支」、「呼吸細気管支」と細かく枝分かれしていきます。
    小葉は、「小葉細気管支」以下の末梢区域をさし、3〜5個の細葉が集まって形成されています。

  • ステロイド

    ステロイドとは、腎臓の上端にある副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。ステロイドホルモンをおくすりとして使用すると、からだのなかの炎症を抑えたり、からだの過剰な免疫反応を弱めたりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われています。ただし、使用量や服用期間によっては副作用があらわれるため、医師の管理下のもとで注意して使用する必要があります。

  • スパイロメトリー

    スパイロメトリーは、どれくらいの量の空気を吸ったり、はいたりできるか[肺活量(VC)]、どのくらいの速さではけるかなど、肺の機能を調べる検査で、肺の病気の進行の程度や治療の経過をチェックするための重要な検査です。
    特発性肺線維症(IPF)は病気の進行にともない、肺活量が低下するため、定期的にスパイロメトリーをおこない、これまでの検査値との変化をみながら、病気の状態を把握していくことが大切です。
    この検査では、安静な状態や最大限努力した状態で、息を吸ったりはいたりしてもらうため、患者さんの協力が必要になります。

  • すりガラス状の陰影(すりがらすじょうのいんえい)

    胸部X線検査CT検査で、肺に異常がある部分に写る淡く白い影の1つです。間質性肺炎では、すりガラス状の陰影がみられることが少なくありません。

  • 生理食塩水(せいりしょくえんすい)

    体液と同じ約0.9%の濃度の食塩水で、体内に入れても細胞を傷つけないように調整された液体です。体液の洗浄や注射薬などを希釈するのに使われます。

  • 線維化(せんいか)

    線維化とは、傷ついた組織において、傷を修復するためのコラーゲン線維が過剰に作り出されている状態のことです。
    肺の線維化が進行すると、肺胞の壁や、小葉細葉の間の壁などが厚く硬くなるため、肺胞は膨らみにくくなり、ガス交換が障害されます。

  • 線維芽細胞(せんいがさいぼう)

    傷や炎症などを修復する過程で重要な働きをもつ細胞です。線維芽細胞は、細胞間、組織間に存在し、正常な状態では目立った作用はありません。
    しかし、からだの組織が傷ついたとき、傷口部分に集まり、一部は筋線維芽細胞に変化して、コラーゲン線維などを作り出します。

  • 線維芽細胞増殖因子受容体(せんいがさいぼうぞうしょくいんしじゅようたい)(FGFR、エフジーエフアール)

    線維芽細胞に関わる増殖因子と結合するチロシンキナーゼ受容体のことです。
    増殖因子は受容体に結合すると、さまざまなシグナル[指令]を出します。
    肺胞に傷がつくと、線維芽細胞増殖因子が放出され、その受容体に結合します。その結果、傷の修復に関連するシグナル[指令]が出され、組織が修復されると考えられています。
    しかし、上皮細胞による正常な修復ができないような状態では、このシグナル[指令]による刺激が持続します。その結果、線維化が引きおこされ、特発性肺線維症(IPF)などの病気につながる可能性があります。線維化には、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のほかに、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)や血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)なども関与していると考えられています。

  • 増殖因子(ぞうしょくいんし)

    細胞にある特定の受容体に結合することによって、細胞内へのシグナル[指令]伝達のスイッチをオンにする役割をもつタンパク質です。このスイッチがオンになると、細胞が増殖するように働きます。

た行

  • チアノーゼ

    皮膚、唇、爪、耳たぶ、口腔粘膜(こうくうねんまく)などが紫青色~暗赤色になる状態をさします。これは、血液中の酸素(O2)が不足して、酸素と結合していないことで暗赤色になったヘモグロビンが皮膚から透けてみえることでおこります。
    チアノーゼは、肺や心臓に異常があって全身の皮膚や粘膜[特に唇や口腔粘膜]におこる中心性(ちゅうしんせい)チアノーゼと、寒さなどにより血液の流れが悪くなって手足の指先や耳たぶ、鼻先におこる末梢性(まっしょうせい)チアノーゼの2つに分けられます。

  • チロシンキナーゼ

    タンパク質を構成するアミノ酸の1つであるチロシンにリン酸をつける反応をおこす酵素のことです。このチロシンキナーゼによる反応は、細胞の分化(ぶんか)・増殖などのシグナル[指令]伝達に重要な役割を果たしています。
    *分化:本来は単一、あるいは同一であったものが、複雑化したり、異質化したりしていくこと

  • 通常型間質性肺炎(つうじょうがたかんしつせいはいえん)(UIP、ユーアイピー)

    通常型間質性肺炎(UIP)は、特発性肺線維症(IPF)の典型的な所見であり、高分解能CTによる画像によって診断されるもの、および病理組織によって診断されるものをさします。
    通常型間質性肺炎では、病気による肺の組織の異常は、まだら状、不均一に広がっており、線維化している部分と正常な部分が隣りあわせにみられます。また、高分解能CTによる画像をみると、蜂の巣(はちのす)のような構造[蜂巣肺]が高頻度で認められます。

  • 低酸素血症(ていさんそけっしょう)

    さまざまな原因によって、酸素(O2)の取り込みが不足し、動脈血に含まれる酸素の量が通常より少なく、動脈血酸素分圧(PaO2)の値が正常値の60Torr(mmHg)以下にまで不足している状態のことをさします。この結果、全身の臓器が低酸素状態になるため、脳や内臓などさまざまな臓器の機能が十分に働かなくなります。
    また、低酸素血症では、呼吸困難やチアノーゼという血色が悪い状態などの症状があらわれ、さらに悪化すると昏睡(こんすい)状態という重篤な状態になるため、初期段階からの早急な対応が必要とされます。

  • 動脈血(どうみゃくけつ)

    動脈血とは、肺でのガス交換を終えた酸素(O2)を多く含んだ血液のことをいいます。肺から心臓に入り、心臓から全身へ送り出されて各組織に酸素を供給します。

  • 動脈血液ガス分析(どうみゃくけつえきがすぶんせき)

    動脈血にどれくらいの酸素(O2)や二酸化炭素(CO2)[血液ガス]が含まれているかを、注射針を使った採血によって調べる検査のことです。それぞれの血液ガスの量は、Torr(トル)または、mmHg(水銀柱ミリメートル)という圧力の単位であらわされ、これらを測定することによって肺や心臓が正常に働いているかどうかがわかります。

  • 動脈血酸素分圧(どうみゃくけつさんそぶんあつ)(PaO2、ピーエーオーツー)

    動脈血酸素分圧とは、動脈血中に含まれる酸素(O2)の量のことで、医療現場では、PaO2と表記されます。動脈血液ガス分析により調べることができる数値で、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)とともに、からだの状態を知るうえで、特に重要な数値です。血液ガスの量は、Torr(トル)または、mmHg(水銀柱ミリメートル)という圧力の単位であらわされます。動脈血酸素分圧の正常値は80~100Torr(mmHg)であり、60Torr(mmHg)以下になった場合を呼吸不全と呼びます。

  • 動脈血二酸化炭素分圧(どうみゃくけつにさんかたんそぶんあつ)(PaCO2、ピーエーシーオーツー)

    動脈血二酸化炭素分圧とは、動脈血中に含まれる二酸化炭素(CO2)の量のことで、医療現場では、PaCO2と表記されます。動脈血液ガス分析により調べることができる数値で、動脈血酸素分圧(PaO2)とともに、からだの状態を知るうえで、特に重要な数値です。血液ガスの量は、Torr(トル)または、mmHg(水銀柱ミリメートル)という圧力の単位であらわされます。また、動脈血二酸化炭素分圧の正常値は、35~45Torr(mmHg)です。
    肺の病気などによって、呼吸がうまくできなくなっている状態では、この値が高くなります。

  • 特発性間質性肺炎(とくはつせいかんしつせいはいえん)(IIPs、アイアイピーズ)

    特発性とは「病因不明の」という意味で、病因が特定できない間質性肺炎を特発性間質性肺炎(IIPs)といいます。特発性間質性肺炎は、①特発性肺線維症(IPF)、②特発性非特異性間質性肺炎(特発性NSIP)、③特発性器質化肺炎(COP)、④呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患(RB-ILD)、⑤剥離性間質性肺炎(DIP)、⑥急性間質性肺炎(AIP)の6つのタイプに分類され、病気ごとに病気の進行する速さ、治療方法、重症度などが異なります。

  • 特発性器質化肺炎(とくはつせいきしつかはいえん)(COP、シーオーピー)

    病因不明の間質性肺炎特発性間質性肺炎(IIPs)]の1つで、肺胞と末梢気道である細気管支のなかに炎症の結果生じた器質化物(きしつかぶつ)が充満してガス交換ができなくなる病気です。
    数日から数週間の経過で、咳や息切れがみられ、さらに、発熱やだるさなどインフルエンザに似た症状があらわれることもあります。主に50~60歳代に多く、発症頻度に男女による差はみられません。喫煙により発症リスクが高まることはないと考えられています。

  • 特発性肺線維症(とくはつせいはいせんいしょう)(IPF、アイピーエフ)

    病因不明の間質性肺炎特発性間質性肺炎(IIPs)]の1つで、肺胞と肺胞の間をしきる壁を中心とした肺の間質線維化が進行する病気です。主な症状は、空咳、徐々に悪化する労作時呼吸困難バチ状指などであり、高分解能CT画像において、特発性肺線維症(IPF)に特徴的な蜂の巣(はちのす)状の病変[蜂巣肺]がみられます。
    特発性間質性肺炎のなかで発症頻度が最も高い病気であり、主に50歳以上の喫煙男性で多く発症する傾向があります。

  • 特発性非特異性間質性肺炎(とくはつせいひとくいせいかんしつせいはいえん)(特発性NSIP、とくはつせいエヌエスアイピー)

    病因不明の間質性肺炎特発性間質性肺炎(IIPs)]のなかで、既存の組織診断に分類できない組織パターンをもち、線維化病変の分布や進行の速さが、肺全体を通して均一であることを特徴とします。主な症状は、呼吸困難、空咳、息切れ、疲れやすさなどです。主に50歳前後の女性に多く発症する傾向があります。

  • 努力肺活量(どりょくはいかつりょう)(FVC、エフブイシー)

    できる限り息を深く吸い込んだ状態から、“最大限の努力”をして、一気に息をはいたときの最大の空気量のことです。また、実際に測定した努力肺活量(FVC)が、年齢や体格が同じくらいの健康な人から計算した予測値に対して何%にあたるかを計算して求めた値を「%努力肺活量(%FVC)」といいます。

な行

  • 難病(なんびょう)

    難病は、「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、その疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの」と、難病法に定められています。
    難病のうち、医療費助成の対象となるものが指定難病です。
    指定難病は、次の要件を満たし、その難病患者さんが置かれている状況からみて、良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定します。
    ・患者数が本邦において一定の人数[人口の0.1%程度]に達しないこと
    ・客観的な診断基準[またはそれに準ずるもの]が確立していること

  • 難病医療費助成制度(なんびょういりょうひじょせいせいど)

    国が指定した「指定難病」の患者さんに対して、国が医療費の経済的な負担を支援する制度のことです。ここでいう難病とは、「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、その疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの」で、そのなかでもある一定の要件を満たした難病を「指定難病」と位置付けています。
    この制度による助成は、難病指定医によって指定難病とその重症度(分類)の診断を受け、一定の要件を満たしたら申請をおこない、都道府県に認定された場合に受けることができます。

  • 難病指定医(なんびょうしていい)

    指定難病を受けるには、難病指定医の診断を受けることが必要になります。難病指定医とは、難病医療費助成を申請する際に必要となる診断書[臨床調査個人票]の作成や、患者データの登録をおこなえる医師のことです。難病指定医の要件は、①難病の診断または治療に5年以上従事した経験があり、関係学会の専門医の資格を有していること、②一定の研修(1~2日間)を修了していることが必要です。これらの要件を満たし、都道府県に指定医申請をおこなった医師が難病指定医となります。難病指定医は、指定難病の新規申請用および更新申請用の診断書を作成することができます。
    また、難病指定医とは別に協力難病指定医がいます。協力難病指定医は更新申請用の診断書のみを作成することができます。協力難病指定医は、難病の診断または治療に5年以上従事した経験をもち、診断書を作成するのに必要な知識と技能を有し、知事がおこなう研修を修了することが必要になります。

  • 捻髪音(ねんぱつおん)別名:ベルクロラ音

    捻髪音、別名ベルクロラ音は、特発性肺線維症(IPF)患者さんなどの肺を聴診したときに聞こえる異常な呼吸音[胸部聴診音]の1つで、息を吸うときに断続的に、「パチパチ、バリバリ」というマジックテープをはがすような硬い音がします。

は行

  • 肺移植(はいいしょく)

    重い肺の病気をもつ患者さんの病気の肺[片肺もしくは左右両方の肺]を取り出して、提供者の健康な肺[片肺もしくは左右両方の肺]を移植する治療法です。近年の日本では、年間50件ほどの肺移植手術がおこなわれています。
    肺移植が実施されるためには、現在の医療現場では、患者さんの年齢や、移植のほかに有効な治療方法がない、生命の危険がせまっている、移植によって元気になることが予想される、などの要件を満たす必要があります。特発性肺線維症(IPF)は、特定の条件を満たした場合に肺移植が適応となる病気の1つです。

  • バイオマーカー

    バイオマーカーのバイオには「生体的な」、マーカーには「指標」という意味があり、医療現場では病気の診断やおくすりの客観的な効果判定に、さまざまなバイオマーカーが使用されています。特発性間質性肺炎(IIPs)の診断を目的としたバイオマーカーとして、血液中の「KL-6」、「SP-D」、「SP-A」が測定されています。

  • 肺拡散能(はいかくさんのう)(DL、ディーエル)

    肺に取り込まれた酸素(O2)は、拡散によって肺胞上皮間質・毛細血管内皮を通過し、ヘモグロビンと結合します。このときの拡散のしやすさのことを肺拡散能(DL)といいます。この経路のうちどこかに異常があると酸素は拡散しにくくなり[拡散障害]、低酸素状態になります。

  • 肺拡散能力検査(はいかくさんのうりょくけんさ)(DLco、ディーエルシーオー)

    肺拡散能力検査は肺胞から毛細血管へのガスの取り込み量を測定し、酸素(O2)の拡散能力を調べる検査です。患者さんに一酸化炭素(CO)を含んだ混合ガスを吸ってもらい、その呼気を分析することで、拡散障害の有無を調べることができます。この検査では、一酸化炭素を使用することから、拡散能力をDLcoとあらわします。実際の測定値が性別・年齢・体表面積から予測される値の80%以上(%DLco≧80%)であれば、正常と判断されます。

  • 肺活量(はいかつりょう)(VC、ブイシー)

    できる限り息を深く吸い込んだ状態から、ゆっくりとはき出すことのできる最大の呼気量のことです。また、実際に測定した肺活量(VC)が、年齢や体格が同じくらいの健康な人から計算した予測値[予測肺活量]に対して何%にあたるかを計算して求めた値を「%肺活量(%VC)」といいます。

  • 肺高血圧(はいこうけつあつ)

    心臓から肺につながる動脈[肺動脈]の血圧が異常に高くなる病気です。肺の血管が病気などにより狭くなり血液の流れが悪くなることによっておこります。運動時に息切れや体力低下といった症状があらわれ、患者さんによってはふらつきや疲労感がみられる場合もあります。

  • 肺静脈(はいじょうみゃく)

    肺静脈は肺から心臓の左心房(さしんぼう)に向かう血管で、酸素(O2)を多く含む動脈血を運んでいます。

  • 肺生検(はいせいけん)

    肺の病気を診断するために、肺の組織や細胞の一部を取って顕微鏡で観察する検査のことです。主に、胸部X線検査高分解能CTなどの画像検査のみでは病気の診断がむずかしい場合に用いられます。組織を採取する方法として、X線やCTを使って皮膚の外から細い針を刺して取る方法、手術で胸を開いて取る方法、皮膚にあけた小さな穴から胸腔鏡を入れて肺のなかをみながら取る方法があります。

  • 肺動脈(はいどうみゃく)

    肺動脈は心臓の右心室(うしんしつ)から肺に向かう血管で、二酸化炭素(CO2)を多く含む静脈血を運んでいます。

  • 肺胞(はいほう)

    肺胞とは、細かく枝分かれした気管支の先端にある、肺を形成している小さな袋状の組織をさします。肺は、肺胞のように小さな袋状の形態を有することで、そのまわりを網の目のように取り囲む細い血管[毛細血管(もうさいけっかん)]を介したガス交換をおこなう表面積(ひょうめんせき)を広くし、ガス交換の効率をよくしています。

  • 肺胞腔(はいほうくう)

    肺胞の内側の空間で、呼吸によって吸い込まれた空気がためられる場所のことです。

  • 剥離性間質性肺炎(はくりせいかんしつせいはいえん)(DIP、ディーアイピー)

    病因不明の間質性肺炎特発性間質性肺炎(IIPs)]の1つで、色素沈着したマクロファージ*などが肺胞腔内に大量に集積し、肺に慢性的な炎症を引きおこす病気です。命名された当時は、肺胞上皮細胞が剥離(はくり)したものと誤解されて、この名が残っています。
    主な症状は、特発性肺線維症(IPF)と同様で、空咳、徐々に悪化する労作時呼吸困難バチ状指などです。主に30~40歳代の喫煙者に発症することが多く、その男女比は2:1です。
    *マクロファージ:からだに侵入した異物をとらえて食べる細胞

  • バチ状指(ばちじょうし)

    指先が太鼓を叩く「バチ」のように盛り上がり、爪先が下向きに丸くなった状態の指です。
    この症状自体に痛みはありません。肺や心臓、腎臓などに病気がある場合に症状があらわれることがあります。特発性肺線維症(IPF)患者さんの25~50%程度にみられるといわれています。

  • パルスオキシメータ

    血液に酸素(O2)がどの程度供給されているかを調べる医療機器で、指を軽くはさむことにより皮膚の表面から動脈血酸素飽和度[経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)]を測定します。
    従来は、採血して動脈血酸素飽和度を測定していましたが、この機器の登場により、痛みもなく簡単に測定できることから、検査における患者さんへの負担を少なくすることが可能になりました。

  • 被曝(ひばく)

    放射線を浴びることです。医療現場では、胸部X線検査CT検査などの画像検査や、がん細胞などに対する放射線治療など、多種多様な放射線を使ったさまざまな検査や治療がおこなわれています。放射線の種類、照射するからだの部位、回数および頻度によって、その健康に与える影響は大きく異なります。
    また、通常の生活における1人当たりの自然放射線による年間線量は約2.4mSV(ミリシーベルト)*といわれています。特発性肺線維症(IPF)の診断や治療効果の判定に用いる胸部X線検査やCT検査の被爆線量は、それぞれ約0.05mSV、約7.0mSVであり放射線治療の線量に比べると微量ではありますが、画像診断のリスクとベネフィットを考慮のうえ、主治医とご相談ください。
    *SV(シーベルト):放射線の量を示す単位の1つ

  • びまん性肺疾患(びまんせいはいしっかん)

    びまん性とは「広範に」、「全体的に」という意味で、びまん性肺疾患とは、画像検査において、病変が両側の肺に広く認められる疾患の総称をいいます。びまん性肺疾患のうち、主に肺間質で炎症や線維化がおこる疾患を「間質性肺炎」といいます。

  • 副作用(ふくさよう)

    おくすりの作用のなかで、治療に必要な主となる作用以外の好ましくない作用であり、おくすりとの因果関係がはっきりしている作用のことです。程度の差はありますが、あらゆるおくすりに副作用があるといえます。
    一般的には主となる作用以外でも患者さんにとって「好ましくない作用」の意味として扱われることが多いのが現状ですが、副作用とは必ずしも好ましくない作用だけをさす言葉ではありません。
    また、混同されやすい言葉として、「有害事象」があります。有害事象は、おくすりを服用後に生じた全ての好ましくない健康被害をさし、おくすりとの因果関係を問わない点で副作用とは異なります。

  • 分子標的治療薬(ぶんしひょうてきちりょうやく)

    病気に関連する特定の遺伝子やタンパク質などを標的にするおくすりです。からだに対して悪さをする特定の物質のみを狙い撃ちし、正常な細胞に対するダメージが少ないことから、効果的かつ副作用の少ない治療薬と考えられています。

  • ヘモグロビン

    血中で酸素(O2)を運ぶ役割をもつ赤血球内の赤い色のタンパク質です。ヘモグロビンは、酸素の多い組織では酸素を取り込み、酸素の少ない組織では酸素を少しずつ手放すという性質をもっているので、酸素の多い肺で酸素をくっつけて、酸素が少ない末梢組織で酸素を離すことにより、酸素を効率よくからだの隅々まで運ぶことが可能になります。

  • 蜂巣肺(ほうそうはい)

    線維化が進むと、肺胞の構造が破壊され不規則に拡張した気腔(きくう)が多数形成され、蜂の巣(はちのす)のような構造になることがあります。このような病変を蜂巣肺といいます。特発性肺線維症(IPF)では、高分解能CT画像において両下葉優位に蜂巣肺が認められることが診断の手がかりになります。

ま行

  • 免疫抑制剤(めんえきよくせいざい)

    臓器移植や自己免疫疾患において生じた、過剰もしくは不適切な免疫反応を抑えるために使われるおくすりです。

  • 網状の陰影(もうじょうのいんえい)

    胸部X線検査の画像上で、肺に異常がある部分が網の目のように写る白い影のことです。通常、健康な肺の場合、肺のある部分は透けて黒く写りますが、間質性肺炎の患者さんの肺の場合、間質が厚くなることによって、その病変部分が白い網状の陰影として認められるのが特徴です。網状の陰影は、実際に間質性肺炎特有の蜂の巣(はちのす)のような構造の病変[蜂巣肺]がある場合や、線状の影の病変が重なって網の目のように写る場合があります。
    網状の陰影の所見がみられた場合、さらにCT検査[高分解能CT]などの詳しい検査によって、確実な診断を進めていきます。

や行

  • 有害事象(ゆうがいじしょう)

    おくすりとの因果関係がはっきりしないものを含め、おくすりの投与中に患者さんにおきる、好ましくない、または意図しない全ての健康被害のことをいいます。例えば、たまたまひいた風邪や怪我(けが)なども含まれます。

  • 溶存酸素(ようぞんさんそ)

    溶液中に溶けている酸素(O2)のことをいいます。血中に溶けている酸素は、血漿中に溶け込んだ溶存酸素とヘモグロビンと結合した結合酸素のどちらかの状態で存在しています。
    血液中にある酸素のほとんどは結合酸素として存在しており、溶存酸素はごくわずかしかありません。

  • 予後(よご)

    病気や手術後の回復の見込みを「予後」といい、「予後がよい」や「予後良好」といえば、見通しがよいことを意味します。反対に「予後が悪い」や「予後不良」とは、見通しが悪いことをあらわします。ただし、同じ病気でも複数の観点から予後が判断されることがあり、生命が維持できるかどうかについてのみを考える場合は「生命予後」、機能に関する後遺症が残るかどうかを考える場合は「機能予後」という用語を用います。

  • 予測肺活量(よそくはいかつりょう)

    年齢、性別、身長が同じ条件の人の平均的な肺活量(VC)のことで、肺機能検査の際に目安となる数値です。
    成人[18~95歳]の予測肺活量は以下の計算式で算出されます。
    成人男性[18歳以上]の予測肺活量(L):0.045×身長(cm)-0.023×年齢-2.258
    成人女性[18歳以上]の予測肺活量(L):0.032×身長(cm)-0.018×年齢-1.178

ら行

  • 臨床経過(りんしょうけいか)

    患者さんに対して診察や治療をおこなうことを「臨床」といい、臨床経過とは、その際の患者さんの経過のことをいいます。

  • 労作時呼吸困難(ろうさじこきゅうこんなん)

    特発性肺線維症(IPF)の症状として、労作時呼吸困難があげられますが、これは、からだを動かしているときにおきる息切れをさす言葉で、じっとしていてもおこる呼吸困難[安静時呼吸困難(あんせいじこきゅうこんなん)]と区別して使われます。
    特発性肺線維症の初期段階では、坂道や階段の上り下りなどでからだに負荷がかかることで酸素(O2)が低下し、労作時呼吸困難が発生しますが、症状が進行するにつれ、着替えや入浴などのごく軽い負荷でも息切れがおこるようになります。

  • 6分間歩行検査(ろっぷんかんほこうけんさ)

    室内あるいは屋外の平地を6分間、最大限に努力して歩行したときの歩行距離や経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定する検査です。どれくらい運動できるか、どれくらい酸素(O2)が減るかを調べることにより、日常生活における呼吸機能障害の程度を把握することができます。

A-Z

  • AIP(エーアイピー)

    AIPは、acute interstitial pneumonia(急性間質性肺炎)の略。⇒急性間質性肺炎を参照

  • BAL(バル)

    BALは、bronchoalveolar lavage(気管支肺胞洗浄)の略。⇒気管支肺胞洗浄を参照

  • COP(シーオーピー)

    COPは、cryptogenic organizing pneumonia(特発性器質化肺炎)の略。⇒特発性器質化肺炎を参照

  • CT検査/高分解能CT(シーティーけんさ/こうぶんかいのうシーティー)

    CTとは、コンピューター断層撮影(だんそうさつえい)の略です。からだを多方面からスライスした状態の画像が撮影できます。背中から胸までが重なりあった1枚の画像となる胸部X線検査と比べ、病変のより詳細な部分を観察することができます。最近では、1mm以下まで薄くスライスした画像が撮影できる高分解能CTなどもあり、より詳しく肺の状態をとらえることができるようになっています。

  • DIP(ディーアイピー)

    DIPは、desquamative interstitial pneumonia(剥離性間質性肺炎)の略。⇒剥離性間質性肺炎を参照

  • DL(ディーエル)

    DLは、diffusing capacity of the lung(肺拡散能)の略。⇒肺拡散能を参照

  • DLco(ディーエルシーオー)

    DLcoは、carbon monoxide diffusing capacity(一酸化炭素を用いた肺拡散能)の略。⇒肺拡散能力検査を参照

  • FGFR(エフジーエフアール)

    FGFRは、fibroblast growth factor receptor(線維芽細胞増殖因子受容体)の略。⇒線維芽細胞増殖因子受容体を参照

  • FVC(エフブイシー)

    FVCは、forced vital capacity(努力肺活量)の略。⇒努力肺活量を参照

  • GERD(ガード)

    GERDは、gastro-esophageal reflux disease(胃食道逆流症)の略。⇒胃食道逆流症を参照

  • HOT(ホット)

    HOTは、home oxygen therapy(在宅酸素療法)の略。⇒在宅酸素療法を参照

  • IIPs(アイアイピーズ)

    IIPsは、idiopathic interstitial pneumonias(特発性間質性肺炎)の略。⇒特発性間質性肺炎を参照

  • IPF(アイピーエフ)

    IPFは、idiopathic pulmonary fibrosis(特発性肺線維症)の略。⇒特発性肺線維症を参照

  • KL-6(ケーエルシックス)

    特発性間質性肺炎(IIPs)の血清バイオマーカーの1つです。特発性間質性肺炎の患者さんでは、血液中のKL-6が高い値を示すことがあります。病気の進み具合いの目安になります。

  • NSIP/iNSIP(エヌエスアイピー/アイエヌエスアイピー)

    NSIP/iNSIPは、non-specific interstitial pneumonia(非特異性間質性肺炎) / idiopathic non-specific interstitial pneumonia(特発性非特異性間質性肺炎)の略。⇒特発性非特異性間質性肺炎を参照

  • PaCO2(ピーエーシーオーツー)

    PaCO2は、arterial carbon dioxide partial pressure(動脈血二酸化炭素分圧)の略。⇒動脈血二酸化炭素分圧を参照

  • PaO2(ピーエーオーツー)

    PaO2は、arterial oxygen partial pressure(動脈血酸素分圧)の略。⇒動脈血酸素分圧を参照

  • PDGFR(ピーディージーエフアール)

    PDGFRは、platelet derived growth factor receptor(血小板由来増殖因子受容体)の略。⇒血小板由来増殖因子受容体を参照

  • pH(ピーエイチ/ペーハー)

    pHとは、物質の酸性・アルカリ性の度合いを、0~14の範囲で示すための指標で、pH7が中性で、酸性ならば1に近づき、アルカリ性ならば14に近づきます。
    正常な生体内では、細胞が適切に働くためにそれぞれの器官で適したpHが保たれていますが、からだに異常がみられると、このバランスがくずれます。例えば、からだが正常に機能しているときの血液のpHは、7.35~7.45という極めて中性に近い弱アルカリ性を保っていますが、肺に異常があり、二酸化炭素(CO2)が体外にうまく排出することができないと、血液中に二酸化炭素が多く溶け込んだ状態になり、炭酸水のように酸性になるため、pHが下がります。

  • RB-ILD(アールビーアイエルディー)

    RB-ILDは、respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease(呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患)の略。⇒呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患を参照

  • SP-A(エスピーエー)

    特発性間質性肺炎(IIPs)の血清バイオマーカーの1つです。特発性間質性肺炎の患者さんでは、血液中のSP-Aが高い値を示すことがあります。薬剤や放射線が原因の間質性肺炎で高くなることが多いです。

  • SP-D(エスピーディー)

    特発性間質性肺炎(IIPs)の血清バイオマーカーの1つです。特発性間質性肺炎の患者さんでは、血液中のSP-Dが高い値を示すことがあります。経過の早い間質性肺炎で高くなることが多いです。

  • SpO2(エスピーオーツー)

    SpO2は、percutaneous arterial oxygen saturation(経皮的動脈血酸素飽和度)の略。⇒経皮的動脈血酸素飽和度を参照

  • Torr(トル/トール)

    トル(torr、記号: Torr)は、呼吸機能など生体内の圧力に関して使用されることが多い圧力の単位です。トールと読むこともあります。トル(Torr)と水銀柱ミリメートル(mmHg)は、同じ単位の別名であり、1Torr = 1水銀柱ミリメートル(mmHg)になります。mmHgは、「ミリ水銀」「ミリエイチジー」「ミリメートルエイチジー」と読まれることがあります。

  • UIP(ユーアイピー)

    UIPは、usual interstitial pneumonia(通常型間質性肺炎)の略。⇒通常型間質性肺炎を参照

  • VC(ブイシー)

    VCは、vital capacity(肺活量)の略。⇒肺活量を参照

  • VEGFR(ブイイージーエフアール)

    VEGFRは、vascular endothelial growth factor receptor(血管内皮増殖因子受容体)の略。⇒血管内皮増殖因子受容体を参照

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