楽になる呼吸法
息切れを防ぎ、呼吸を落ちつかせる呼吸法
肺線維症の患者さんは、強い運動をしなくても、日常生活の中で息が切れてしまうことがあります。これまで無理なく行うことができていた動作ができなくなり、不安に思うことがあるかもしれません。息切れを防ぐ呼吸法を実践することで、息苦しさを軽減し、息切れのためにできない動作が徐々にできるようになります。また、肺の機能を強化することにも役立ちます。ここでは、日常生活の中で実践できる4つの呼吸法をご紹介します。
1腹式呼吸
腹式呼吸は、横隔膜を使う呼吸法です。おなかをふくらませて鼻から息を吸い、おなかをへこませながら口から息を吐くなど、おなかの動きに気をつけながら呼吸をします。特に、座ったり横になったりしながら、リラックスしているときに行うとより効果的です。
2日常の動作時の呼吸
息が切れてしまうような動作を行うときに役立つ呼吸法です。動作を始める前に息を吸って、息を吐きながらゆっくりと動きます。たとえば、重いものを持ち上げるときは、持ち上げる前に息を吸って、動きながら息を吐きます。
3動作のペースと呼吸のペースを合わせる
歩いているときや階段を上っているとき、また、息が切れてしまうような動作をするときに役立つ呼吸法です。歩いたり、階段を上ったりなどの動作のペースと呼吸のペースを合わせます。たとえば、階段を上るときは、歩き出す前に息を吸い、上るペースに合わせてゆっくりと息を吐き、いったん止まって息を吸って呼吸をととのえながら休みましょう。
4深呼吸
日常のさまざまな場面で、動作をしながら深呼吸をして、息をととのえるように心がけましょう。
監修:
公立陶生病院
副院長 兼 呼吸器・アレルギー疾患内科 部長 近藤 康博 先生
公立陶生病院
副院長 兼 呼吸器・アレルギー疾患内科 部長 近藤 康博 先生
作成年月:2021年9月