からだを動かす(呼吸リハビリテーション)

運動能力の改善のために呼吸リハビリテーションを行いましょう

肺線維症の患者さんは、息苦しいという症状があることで、動くことが少なくなり、行動する範囲が狭くなることがあります。行動が減って運動不足になると、全身の筋力が弱まって息苦しさが強くなり、ますます動くことが少なくなってしまうといった、悪循環におちいることがあります。
呼吸リハビリテーション(筋力・持久力トレーニング)は、可能な限り運動機能を回復し、息苦しさなどの症状を改善させることで、よりいきいきとした生活を送れるように支援する医療です。呼吸リハビリでさまざまなトレーニングを行うことで、筋力や運動能力が向上します。それにより、息苦しさがやわらいで、さらに運動性が向上していくといった、好循環になることが期待されます。旅行やスポーツをしたり、新しい趣味を始めるのにも役立ちますので、日常の楽しみを増やしてからだを動かすことを心がけましょう。

運動能力の改善のために呼吸リハビリテーションを行いましょう

ご自宅や外出先でできるトレーニングを行いましょう

足の筋力トレーニングや持久力トレーニングなど、ご自宅や外出先でできるトレーニングを行いましょう。運動能力には個人差がありますので、いつもよりやや強い程度の運動を目安としましょう。旅行やスポーツ、ショッピングなど、これからやりたいことを思い浮かべながら楽しく運動すると、さらにやる気が出てきます。運動を控えたほうがよい場合には無理をせずに休みましょう。

足の筋力トレーニング

それぞれ5回ずつ3セットを目標にしましょう。

足の筋力トレーニング
持久力トレーニング

「ウォーキング」は日常生活で最も取り組みやすい運動です。最初は5分程度を目安にして開始し、徐々に慣れてきたら20分以上を目標としましょう。運動の強さはそれぞれの方によって異なります。「いつもよりやや強い」程度を目安にウォーキングをしてみましょう。

持久力トレーニング
運動を控えたほうがよい場合

症状によっては、運動を控えたほうがよい場合があります。運動をするときは、以下の症状がないか注意しましょう。また、症状が強い場合には受診してください。

  • 息苦しさがいつもより強い
  • “咳”や“痰”がいつもより多い
  • 手足にむくみがある
  • 熱がいつもより高い
  • 疲労感がいつもより強い
  • 安静にしていても心臓がドキドキする
監修:
公立陶生病院
副院長 兼 呼吸器・アレルギー疾患内科 部長 近藤 康博 先生
理学療法士 渡邉 文子 先生
このページをPDFにする

作成年月:2021年9月